Petite histoire du concept de paix
平和の概念
Résumé
「戦争」に関する議論は多いが、「平和」についてはどうか。そもそも「平和」とはいったいどんな状態を言うのだろう。「平和」を希求する人間の努力は、戦争のありかたを変えてきた。「戦時国際法」(戦争法)1は、戦争自体が違法であるという認識が第2次世界大戦後に確立したため、その存在意義に重大な疑問が抱かれるようになったが、近年あらためてその必要性が認識されつつある。この法律のおかげで紛争解決を目的とする国際機関も発足した。国際連盟の失敗(1946年解散)や国際連合(以下、「国連」)の機能不全が指摘されるものの、国際司法裁判所、国際裁判所、ＷＨＯなど個別の課題を扱う機関、ＥＵやアフリカ統一機構などの地域組織を含む多様な国際組織の存在は、事前交渉により紛争を避け、合意を探る努力に道を開いたのである。
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